3-008 八重歯の矯正治療(永久歯列矯正:非抜歯)

Case:3-008 Case:3-007と同様、八重歯の程度が強い場合やガタガタの程度が強い場合は上下の歯を抜歯して並べることも一般的です。患者様と相談の上、非抜歯での矯正治療を行いました。 スペースを確保するために、拡大治療を行っています。歯の表面を削合し、歯のサイズを小さくするIPRは今回は行っておりません。 お口の中の状況や骨格的な問題にもよりますが、12歳臼歯が生える前に全顎矯正を始める場合と、12歳臼歯がしっかり生えてから治療を開始する場合があります。それにより治療開始時期が変わるだけでなく、治療終了時期も変わってきます。小学生の間に終わらせてほしい、中学生までに終わらせてほしい、など希望通りできる場合もあれば、難しい場合もあります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-013 乳歯列矯正・前臼歯部交叉咬合(シビアな受け口)

Case:1-013 受け口の原因が骨にあるタイプです。臼歯部交叉咬合も認める噛み合わせです。 下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。 乳歯列期の治療だけで完結することはありません。成長による変化が必ず起こるため、矯正治療の期間だけでなく経過観察期間も長くなります。 プレオルソ治療やムーシールドの治療はほとんど効果を認めません。マウスピース矯正は歯科医院で購入した装置を患者様へ渡すだけなので非常に簡単な治療方法です。マウスピース治療で受け口が改善する症例も多く、非常に有効な装置ですが、このようなシビアな症例にはほとんど効果がないため注意が必要です。 できる限り早期に上下の顎のバランスをとり、正常なかみ合わせにすることで、できる限り正常な成長が起こるよう促します。乳歯列期では乳歯の生え変わりを待って小学生になったら対応しましょうと言われやすいですが、このような症例はできる限り早期に対応が望ましいと言えます。早ければ3歳半になれば治療を開始していきます。 4歳の年齢でも、顔貌の変化やかみ合わせの変化をご自身で自覚してもらえることも多いです。ご飯が食べやすくなった、むせなくなった、かわいくなった。本人も保護者の方も非常に喜んでくれています。見た目にも機能的にも早期に改善したい症例です。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

3-004 すきっぱ・交叉咬合の矯正治療(永久歯列矯正)

Case:3-004 交叉咬合があると顎が本来の位置とは異なる状態で噛んでしまい、顎の過剰負担により顎関節症となりやすいです。交叉咬合のため顎の関節の位置がずれた状態が長く続くと、矯正治療により歯並びを改善しても顎の関節の症状は改善しなくなります。ですので、見た目の問題だけでなく機能的な観点からできるだけ早期に改善が望ましい歯並びといえます。 すきっぱ(正中離開)を改善する方法は部分矯正や形態修正などもありますが、全体的な歯並びの問題がある場合は、全顎矯正にて改善が望ましいです。 非抜歯矯正の場合だと、本人の協力性も良ければ2年以内に終わることもありますが、身長が伸びている間は顎の成長も続くため、今後も継続した経過観察が必要となります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-007 交叉咬合・開咬の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-007 上顎歯列の狭窄により臼歯部に交叉咬合を認める症例です。交叉咬合があると歯の干渉による歯の摩耗や、顎の動きの制限が起こり顎関節にも悪影響を与えます。成長期の交叉咬合は早急に改善する必要があり、交叉咬合の状態が長く続くと顎がいがんだ状態で成長がすすみ、将来的に手術(外科矯正治療)による改善が必要となることもあります。 上顎歯列が狭窄する原因として、舌の問題があります。 舌のトレーニングを実施することで、歯列の改善後の安定性を高める効果があります。 交叉咬合や開咬の方は成長や習癖によって再度交叉咬合となることも多いため、経過観察を行っていきます。成長が残っている間(身長が止まるまで)はかみ合わせは成長に伴い変化していくため、少なくとも高校生までは経過観察が必要となります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-012 子供の交叉咬合治療(乳歯列矯正)

Case:1-012 奥歯をずらして噛んでしまう臼歯部交叉咬合と呼ばれるかみ合わせです。生え変わりで自然に改善することはほとんどありません。 噛み合わせがずれているので、普段の顔も顎がずれていることも多く、特に笑った時に顕著になることが多いです。できるだけ早く改善しないと、どんどん骨格的な顎のズレが大きくなってしまうため、注意が必要です。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-009 子供の受け口(乳歯列矯正・片側性反対咬合)

Case:1-009 右側ないしは左側のみ反対咬合を認める噛み合わせです。 歯が咬合干渉を起こし、ダメージを受けてしまうことや、顎をずらして噛むのが習慣化してしまい、永久歯に生え変わっても同じようにずれてしまい、最終的には骨格的なズレとなってしまう可能性があります。そのため、できるだけ早く改善が必要となります。 プレオルソやムーシールドのようなマウスピースタイプの装置では改善しにくい噛み合わせの一つです。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-005 乳歯列で早期改善が必要な5症例:4症例目

子供の受け口・交叉咬合治療(乳歯列矯正) Case:1-005 前回の臼歯部交叉咬合に加え、前歯部の反対咬合も認める噛み合わせです。下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。症例3の臼歯部交叉咬合の治療と、症例1・2の反対咬合の治療を合わせて考える必要があります。治療期間も長くなってしまう傾向があります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-004 乳歯列で早期改善が必要な5症例:3症例目

子供の交叉咬合治療(乳歯列矯正) Case:1-004 奥歯(臼歯部)の交叉咬合はそのまま放置していても、歯の生え変わりが起こっても自然には改善しないことがほとんどであり、また学校検診などでも指摘されにくい歯並びです。放置することにより、最初は歯だけがずれていたものが骨格のずれを引き起こし、成長とともに顔の左右非対称が顕著となってしまうことがあります。骨格的なずれになってしまう前にできるだけ低年齢での改善が望ましいです。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

1-001 乳歯列で早期改善が必要な5症例

小さなお子様に対しても必ず検査・資料採得を行い、診断を行います。早ければ3歳半くらいになれば開始していきます。年齢的には治療適応であってもこれらの検査ができない場合は、年齢が上がり協力性が得られるまで様子を見ることとなります。検査なく装置を入れることや経過観察と診断することはありません。 1歯性反対咬合 受け口の原因が歯にあるタイプです。骨格的な問題ではなく歯の角度によって受け口となっているため、比較的治療が容易です。 2骨格性反対咬合 受け口の原因が骨にあるタイプです。骨格的な問題となるので、治療が難しく長期に渡る傾向があります。 3臼歯部交叉咬合 奥歯(臼歯部)の交叉咬合はそのまま放置していても、歯の生え変わりが起こっても自然には改善しないことがほとんどであり、また学校検診などでも指摘されにくい歯並びです。 4前臼歯部交叉咬合 臼歯部交叉咬合に加え、前歯部の反対咬合も認める噛み合わせです。下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。 5片側性反対咬合 前歯部の反対咬合が左右どちらかにのみ認める噛み合わせです。ずれた状態で噛み癖となってしまっていることも多く、生え変わりとともに自然に改善する可能性は低いです。 乳歯列期に矯正治療を開始することは一般的ではありません。ただ、乳歯列期の歯並びの異常をそのまま放っておくと将来的に骨格的な「ズレ」や「ゆがみ」を引き起こすような咬み合わせに関しては、乳歯列期から治療を開始します。 具体的には、上記画像にあるような反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)が治療の対象となります。診断名としては「歯性反対咬合・骨格性反対咬合・臼歯部交叉咬合・前臼歯部交叉咬合・片側性反対咬合」と呼ばれる状態が早期治療の適応となります。 早くても本人の協力性が得られる3 歳半前後ぐらいからになります。 反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)といっても、みなさん同じ状態ではありません。一人一人原因も違えば治療方法や治療のタイミングも異なります。しっかりと検査を行い、診断することが大切です。 それぞれの症例の詳細については今後掲載していきます。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一