小さなお子様に対しても必ず検査・資料採得を行い、診断を行います。
早ければ3歳半くらいになれば開始していきます。
年齢的には治療適応であってもこれらの検査ができない場合は、年齢が上がり協力性が得られるまで様子を見ることとなります。
検査なく装置を入れることや経過観察と診断することはありません。

1歯性反対咬合

受け口の原因が歯にあるタイプです。骨格的な問題ではなく歯の角度によって受け口となっているため、比較的治療が容易です。

2骨格性反対咬合

受け口の原因が骨にあるタイプです。骨格的な問題となるので、治療が難しく長期に渡る傾向があります。

3臼歯部交叉咬合

奥歯(臼歯部)の交叉咬合はそのまま放置していても、歯の生え変わりが起こっても自然には改善しないことがほとんどであり、また学校検診などでも指摘されにくい歯並びです。

4前臼歯部交叉咬合

臼歯部交叉咬合に加え、前歯部の反対咬合も認める噛み合わせです。下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。

5片側性反対咬合

前歯部の反対咬合が左右どちらかにのみ認める噛み合わせです。ずれた状態で噛み癖となってしまっていることも多く、生え変わりとともに自然に改善する可能性は低いです。

乳歯列期に矯正治療を開始することは一般的ではありません。ただ、乳歯列期の歯並びの異常をそのまま放っておくと将来的に骨格的な「ズレ」や「ゆがみ」を引き起こすような咬み合わせに関しては、乳歯列期から治療を開始します。

具体的には、上記画像にあるような反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)が治療の対象となります。診断名としては「歯性反対咬合・骨格性反対咬合・臼歯部交叉咬合・前臼歯部交叉咬合・片側性反対咬合」と呼ばれる状態が早期治療の適応となります。

早くても本人の協力性が得られる3 歳半前後ぐらいからになります。

反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)といっても、みなさん同じ状態ではありません。一人一人原因も違えば治療方法や治療のタイミングも異なります。しっかりと検査を行い、診断することが大切です。

それぞれの症例の詳細については今後掲載していきます。

執筆・監修者 

みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)

院長 宮野 純一

  • 2006 大阪星光学院卒業
  • 2012 大阪大学歯学部卒業
  • 2012~ カノミ矯正・小児歯科クリニック勤務
  • 2020 みやの矯正・小児歯科クリニック開院