2-012 上顎犬歯の埋伏・スペース不足の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-012 上顎左側犬歯の埋伏症例です。 犬歯の埋伏は7歳~10歳頃に問題になることが多いです。痛みがでることはほとんどないため、歯並びの検査やむし歯治療の際の検査の時にレントゲン撮影を行い、犬歯の埋伏が発覚することが多いです。 犬歯の埋伏をそのまま放置した場合、犬歯が何も悪さをせず埋まってしまっているだけであれば将来的に抜歯をすれば問題ないのですが、手前の歯と接触することにより手前の歯の異常吸収を引き起こしてしまうことがあります。手前の歯を吸収してしまうと、場合によっては前歯を抜歯しないといけなくなったりなど矯正治療が複雑化してしまいます。 そのため、手前の歯への悪影響を及ぼす可能性がある犬歯については、犬歯が埋まっている状態のときに、歯茎に埋まっている状態の犬歯に器具をつけ、埋伏歯の牽引治療を行う必要があります。 拡大によるスペース不足の解消と、犬歯の牽引を終え、1期治療は一旦終了となります。 1期治療ですべて問題が解決する症例ではないため、すべての歯が永久歯への交換後2期治療がスタートとなります。抜歯or非抜歯について、検討していくこととなります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-011 6異所萌出・スペース不足の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-011 6歳臼歯や6番と呼ばれる第一大臼歯の異所萌出の症例です。 全体的にスペース不足が顕著であり、将来的には上下顎小臼歯抜歯が必要になる可能性が高い症例です。 6歳臼歯が手前の歯にひっかかてしまったまま放置すると手前の乳歯が早期に脱落してしまいます。そうすると奥歯がどんどん前にずれてきてしまい、将来的にも改善がかなり難しくなってしまいます。 まずは異所萌出の改善を行い、6歳臼歯を正常な位置へもってくること、保定装置としてナンスのホールディングアーチを使用しています。それにより手前の乳歯が保存することができれば、生え変わりもスムーズになります。 12歳臼歯が生えてきたタイミングで2期治療を開始していきますが、スペース不足が顕著であるため、上下小臼歯抜歯を行う予定です。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-010 正中離開・上顎前突の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-010 スペース不足ですが、正中離開を起こしている症例です。 舌癖などの問題もあり、全体的な問題点を把握したうえで治療が必要です。 今回の症例では正中離開が気になるからと言って、上の前歯に器具を装着し正中離開を閉じる治療は基本的には意味がない治療となります。(正中離開は改善しても、その他の問題により新たな歯並びの問題が出現してしまいます。) 1期治療のみである程度きれいな状態までもってくることができました。 12歳臼歯がしっかり全部生えたタイミングで2期治療について検討します。細かい隙間など残ってはいますが、現状ではこのままで経過観察を希望されています。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-009 犬歯の埋伏・スペース不足(混合歯列矯正)

Case:2-009 犬歯の埋伏症例です。犬歯の埋伏はご本人に症状はなく、外からではわからない問題のため、他のことが理由で矯正相談に行った場合や、むし歯治療などの際にレントゲン写真を撮った場合に発見されることがほとんどです。 犬歯が埋伏している場合、放置しても問題解決にはならず、ほとんどの場合に時間経過とともに問題が複雑化してしまうためできるだけ早期にアプローチが必要となります。 埋伏の原因を除去することで自然と改善することもありますが、そうでない場合は埋まっている歯に手術にて器具を装着してもらい、牽引処置を行う必要があります。 牽引処置は牽引してくる移動量にもよりますが、それだけで1年から2年以上かかることもあります。 1期治療では埋伏している歯をひとまず外にだしてくることが目標となります。 埋伏歯がお口の中に見えてきた段階で1期治療は一旦終了したため永久歯の交換までは待期期間となり、すべての歯が永久歯への交換後2期治療がスタートとなります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-008 上顎前突・スペース不足の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-008 顕著な上顎前突症例です。出っ歯は前歯の問題と感じてしまいますが、奥歯の位置関係から大きくずれているため、出っ歯=奥歯の問題と言っても過言ではありません。 またスペース不足と言われると歯が重なりガタガタしていることを想像する方が多いと思います。歯がせり出すように前に突出していると、スペース不足であるにも関わらず歯と歯の間に隙間があくことがあります。 多数の問題点をきちんと整理し、今の時点で解決すること、将来的に解決すること、また早い時期に矯正治療をスタートしても将来的に抜歯になる可能性が高いこと、大人になってから矯正治療を行うメリット、デメリットをお伝えしたうえで、治療方法や治療時期について相談の上、矯正治療をスタートしていきます。 1期治療は一旦終了したため永久歯の交換までは待期期間となり、すべての歯が永久歯への交換後2期治療がスタートとなります。歯並びの問題点が多い方は、1期治療だけですべての問題点を改善することは難しい場合が多くなります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-007 交叉咬合・開咬の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-007 上顎歯列の狭窄により臼歯部に交叉咬合を認める症例です。交叉咬合があると歯の干渉による歯の摩耗や、顎の動きの制限が起こり顎関節にも悪影響を与えます。成長期の交叉咬合は早急に改善する必要があり、交叉咬合の状態が長く続くと顎がいがんだ状態で成長がすすみ、将来的に手術(外科矯正治療)による改善が必要となることもあります。 上顎歯列が狭窄する原因として、舌の問題があります。 舌のトレーニングを実施することで、歯列の改善後の安定性を高める効果があります。 交叉咬合や開咬の方は成長や習癖によって再度交叉咬合となることも多いため、経過観察を行っていきます。成長が残っている間(身長が止まるまで)はかみ合わせは成長に伴い変化していくため、少なくとも高校生までは経過観察が必要となります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-006 子供の受け口(骨格性反対咬合・混合歯列矯正)

Case:2-006 受け口の原因が骨にあるタイプです。骨格性反対咬合の原因も、上顎骨の劣成長や下顎の過成長、下顎の位置の問題など様々であり、それによって適切な治療時期や治療方法が変わってきます。 受け口の治療は成長が終わるまで経過観察が必要となります。遺伝的な影響も強く、小学校高学年から中学生にかけてのいわゆる成長期が下顎が特に成長しやすい時期となります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-005 子供の受け口の治療(混合歯列矯正・歯性反対咬合)

Case:2-005 スペース不足と歯の角度の問題により受け口(反対咬合)になっている患者様です。 スぺース不足の解消と歯の角度の調整により被蓋(受け口)の改善を行います。 歯の角度の調整には前歯と奥歯にのみブラケットと呼ばれる器具を装着する2×4法(ツーバイフォー)と呼ばれるテクニックを使ってます。スペース不足の解消を行わずに2×4法を行ってしまうと、余計にスペース不足の問題を作り出してしまうため、必ずスペース不足の解消も行う必要があります。 オーバーコレクションといって、後戻りが起こることを考慮し余分に動かしておくことで成長によりまた反対咬合になってしまうことを防止します。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-004 子供の出っ歯・スペース不足の矯正治療

Case:2-004 歯が大きく、スペース不足を認め、上顎がやや出ている出っ歯さんの症例です。 顎を広げていますが、この症例のように歯が傾斜し出っ歯さんタイプの方には床矯正は不向きです。(軽度スペース不足であること、かつ出っ歯さんでないこと、そういった場合には床矯正が向いていることもあります。) ヘッドギアや機能的矯正装置は本人の協力性も大切となるため、使用時間によって治療期間は大きく変わってきます。 「子供からやると矯正治療の費用が安く済み、短期間で終わるよ」というのはこの子のような歯並びの問題点が比較的少ない方に当てはまります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-003 スペース不足・ガタガタ歯並びの矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-003 スペース不足により前歯部に交叉咬合を認める症例です。交叉咬合があると歯の干渉による歯の摩耗や、顎の動きの制限が起こり顎関節にも悪影響を与えます。 スペースを獲得し交叉咬合も改善しています。 交叉咬合の改善後、前方に誘導されていた下顎の位置が変わり、出っ歯の位置に下顎が変化することもあるので注意が必要です。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-002 スペース不足・上顎前突・過蓋の矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-002 スペース不足がメインの問題であり、前後的な問題(上顎前突)や垂直的な問題(過蓋咬合)が軽度のcaseです。 スペース不足の量が少しの場合は床矯正などの取り外し式の装置でも改善が可能ですが、スペース不足の量が多い場合は急速拡大装置による拡大が適用となります。下顎は、上顎を拡大するとある程度は自然に拡大してきますが、上顎が急速に拡大していくのについていけなくなるため、下顎にも装置を入れて拡大することが多いです。 機能的矯正装置にてかみ合わせの深い過蓋咬合と上顎前突のcaseも改善しています。 全体的な緊密な咬合や、1歯1歯をきれいに並べる処置は永久歯にすべて交換後、2期治療にて行います。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一

2-001 スペース不足・ガタガタ歯並びの矯正治療(混合歯列矯正)

Case:2-001 上下の前歯が永久歯に生え変わり、6歳臼歯が生えてくる混合歯列期に早期治療を開始します。スペース不足のみ問題があり、前後的な問題(上顎前突・出っ歯・下顎前突・受け口など)がない場合は、スペース不足の早期改善により自然に叢生も改善していきます。 スペース不足の量が少しの場合は床矯正などの取り外し式の装置でも改善が可能ですが、スペース不足の量が多い場合は急速拡大装置による拡大が適用となります。 執筆・監修者  みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一