下顎前突(受け口)
1-017 乳歯列矯正・歯性反対咬合(片側性)
Case:1-017 受け口の原因が歯にあるタイプです。 片側性の受け口の(ジグザグにかんでしまう)ほうが、顎の関節への負担や、咀嚼障害が出やすくなります。 年齢的には生え変わりが近い場合でも、レントゲンを撮影し、乳歯が抜けるまでに期間がかかるような場合には治療を行う場合があります。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
Case:1-017 受け口の原因が歯にあるタイプです。 片側性の受け口の(ジグザグにかんでしまう)ほうが、顎の関節への負担や、咀嚼障害が出やすくなります。 年齢的には生え変わりが近い場合でも、レントゲンを撮影し、乳歯が抜けるまでに期間がかかるような場合には治療を行う場合があります。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
Case:1-013 受け口の原因が骨にあるタイプです。臼歯部交叉咬合も認める噛み合わせです。 下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。 乳歯列期の治療だけで完結することはありません。成長による変化が必ず起こるため、矯正治療の期間だけでなく経過観察期間も長くなります。 プレオルソ治療やムーシールドの治療はほとんど効果を認めません。マウスピース矯正は歯科医院で購入した装置を患者様へ渡すだけなので非常に簡単な治療方法です。マウスピース治療で受け口が改善する症例も多く、非常に有効な装置ですが、このようなシビアな症例にはほとんど効果がないため注意が必要です。 できる限り早期に上下の顎のバランスをとり、正常なかみ合わせにすることで、できる限り正常な成長が起こるよう促します。乳歯列期では乳歯の生え変わりを待って小学生になったら対応しましょうと言われやすいですが、このような症例はできる限り早期に対応が望ましいと言えます。早ければ3歳半になれば治療を開始していきます。 4歳の年齢でも、顔貌の変化やかみ合わせの変化をご自身で自覚してもらえることも多いです。ご飯が食べやすくなった、むせなくなった、かわいくなった。本人も保護者の方も非常に喜んでくれています。見た目にも機能的にも早期に改善したい症例です。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
Case:1-012 奥歯をずらして噛んでしまう臼歯部交叉咬合と呼ばれるかみ合わせです。生え変わりで自然に改善することはほとんどありません。 噛み合わせがずれているので、普段の顔も顎がずれていることも多く、特に笑った時に顕著になることが多いです。できるだけ早く改善しないと、どんどん骨格的な顎のズレが大きくなってしまうため、注意が必要です。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
Case:1-009 右側ないしは左側のみ反対咬合を認める噛み合わせです。 歯が咬合干渉を起こし、ダメージを受けてしまうことや、顎をずらして噛むのが習慣化してしまい、永久歯に生え変わっても同じようにずれてしまい、最終的には骨格的なズレとなってしまう可能性があります。そのため、できるだけ早く改善が必要となります。 プレオルソやムーシールドのようなマウスピースタイプの装置では改善しにくい噛み合わせの一つです。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
Case:1-008 受け口の原因が骨にあるタイプです。6歳に近づいてくると、前歯の永久歯の生え変わりが起こりかみ合わせが変化することがあります。 特に歯性反対咬合(歯が原因で反対咬合となっているタイプ)は前歯の生え変わりで自然とかみ合わせが改善することもあるため、この時期に治療をしないこともあります。 一方で骨格性の反対咬合の場合、前歯が生え変わり永久歯になっても反対咬合となることがほとんどのため、前歯の生え変わりや6歳臼歯が生えてくるタイミングであっても矯正治療を開始することがあります。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
子供の受け口・交叉咬合治療(乳歯列矯正) Case:1-005 前回の臼歯部交叉咬合に加え、前歯部の反対咬合も認める噛み合わせです。下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。症例3の臼歯部交叉咬合の治療と、症例1・2の反対咬合の治療を合わせて考える必要があります。治療期間も長くなってしまう傾向があります。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
子供の交叉咬合治療(乳歯列矯正) Case:1-004 奥歯(臼歯部)の交叉咬合はそのまま放置していても、歯の生え変わりが起こっても自然には改善しないことがほとんどであり、また学校検診などでも指摘されにくい歯並びです。放置することにより、最初は歯だけがずれていたものが骨格のずれを引き起こし、成長とともに顔の左右非対称が顕著となってしまうことがあります。骨格的なずれになってしまう前にできるだけ低年齢での改善が望ましいです。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
子供の受け口(乳歯列矯正・骨格性反対咬合) Case:1-003 受け口の原因が骨にあるタイプです。骨格的な問題となるので、治療が難しく長期に渡る傾向があります。また遺伝的な影響を受けやすく、ご両親や祖父母などの近親者に受け口の方がいらっしゃる場合には、この骨格性反対咬合であることが多いです。見た目は歯性の反対咬合と見分けがつかないことが多く、また骨格的な問題といっても上顎骨が小さいのか、上顎骨の位置が後方にあるのか、下顎骨が大きいのか、下顎の位置が前方に位置しているのか、下顎の成長に対する後方の余地が少ないのか、など状況によって治療方法や治療後の成長予測も大きく変わってきます。ですので検査・診断が非常に大切であり、検査もなく受け口=マウスピースのような治療を行うことはありません。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
子供の受け口(乳歯列矯正・歯性反対咬合) Case:1-002 受け口の原因が歯にあるタイプです。骨格的な問題ではなく歯の角度によって受け口となっているため、比較的治療が容易です。機能性の反対咬合とよばれる状態のこともあります。しかし、歯の角度が悪くなったことにも原因があるため、それに応じた治療が必要となります。また後述する骨格的な反対咬合との違いが非常に大切であるため、検査・診断は非常に大切となります。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一
小さなお子様に対しても必ず検査・資料採得を行い、診断を行います。早ければ3歳半くらいになれば開始していきます。年齢的には治療適応であってもこれらの検査ができない場合は、年齢が上がり協力性が得られるまで様子を見ることとなります。検査なく装置を入れることや経過観察と診断することはありません。 1歯性反対咬合 受け口の原因が歯にあるタイプです。骨格的な問題ではなく歯の角度によって受け口となっているため、比較的治療が容易です。 2骨格性反対咬合 受け口の原因が骨にあるタイプです。骨格的な問題となるので、治療が難しく長期に渡る傾向があります。 3臼歯部交叉咬合 奥歯(臼歯部)の交叉咬合はそのまま放置していても、歯の生え変わりが起こっても自然には改善しないことがほとんどであり、また学校検診などでも指摘されにくい歯並びです。 4前臼歯部交叉咬合 臼歯部交叉咬合に加え、前歯部の反対咬合も認める噛み合わせです。下顎に対し、上顎が横方向にも前後方向にも小さく非常にシビアなケースです。 5片側性反対咬合 前歯部の反対咬合が左右どちらかにのみ認める噛み合わせです。ずれた状態で噛み癖となってしまっていることも多く、生え変わりとともに自然に改善する可能性は低いです。 乳歯列期に矯正治療を開始することは一般的ではありません。ただ、乳歯列期の歯並びの異常をそのまま放っておくと将来的に骨格的な「ズレ」や「ゆがみ」を引き起こすような咬み合わせに関しては、乳歯列期から治療を開始します。 具体的には、上記画像にあるような反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)が治療の対象となります。診断名としては「歯性反対咬合・骨格性反対咬合・臼歯部交叉咬合・前臼歯部交叉咬合・片側性反対咬合」と呼ばれる状態が早期治療の適応となります。 早くても本人の協力性が得られる3 歳半前後ぐらいからになります。 反対咬合(受け口)や交叉咬合(奥歯の左右のズレ)といっても、みなさん同じ状態ではありません。一人一人原因も違えば治療方法や治療のタイミングも異なります。しっかりと検査を行い、診断することが大切です。 それぞれの症例の詳細については今後掲載していきます。 執筆・監修者 みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木) 院長 宮野 純一